目 次

薬づくりの真実 新装版

まえがき
謝辞
著者について
はじめに:約束手形の後始末

◇第I部 社会のための医薬品

 第1章 人に分子を送り込む技
  製薬産業:理解と誤解、利益と損失
  厳しく規制されている安全な投与量
  製薬会社(カンパニー)で失敗した薬にはたくさんの仲間(カンパニー)がいる
  特許医薬品対ジェネリック医薬品:机の上の薬とカウンター越しの薬
  医薬品産業界では誰が何をしているのか

 第2章 期待を煽ることと期待が高まること
  製薬企業に対する社会的な要請
  製薬企業は社内に何を求めているか

 第3章 歴史の効用
  古典的な薬の発見
  華々しい偶然による発見
  副作用のご利益
  薬から薬を生み出す
  病態生理学が薬の標的を明らかにする
  薬の探索における古典薬理学の長所と短所
  製薬企業の合併熱

 第4章 より優れたβ遮断薬開発への障壁
  最も売れているβ遮断薬の費用はいまや1日15セント
  皺をのばすボツリヌス毒素
  痛みを伴う過程
  非常な苦痛を伴う過程
  独占指向が昔からあったわけではない
  不健全な競争
  ある種の病気は現在のところ利用が不可能である
  安全な薬は対応がまだ不十分な多くの症例で試される
  医薬品の社会的な価値の試算

 第5章 なぜある種の良薬は機会に恵まれず、他の薬は失敗に終わるのか
  多くの原因、多過ぎる理由
  患者が治験の期間中に薬を飲まない
  患者が別のあるいは代わりの薬をとっている
  治療の前の診断

 第6章 標的と臨床候補選択の経済学
  薬理経済学入門:いくつかの正当に評価されていない真実
  薬はなぜフェーズI以降で脱落するのか
  開発中断の公式の理由
  臨床開発を中止する理由と失敗の副産物

 第7章 標的を基礎にした創薬:その1
  治療可能比 therapeutic ratio の改善
  生物製剤は比較的容易に承認薬になりやすい
  市場に決定を任せたほうがよいのか?

 第8章 必要な改革
  論点
  医薬品開発過程の効率は低い
  1980年までの創薬の先導役
  2000年における創薬の先導役
  姿勢を需要にあったものにする
  FDAを需要にあったものにする
  法律を需要にあったものにする

◇第II部 基礎から臨床

 第9章 標的を基礎とした創薬:第II部
  あらわれてくるアカデミアと産業界の溝
  アカデミアと産業界との話し合いは時に困難である
  標的を基礎とした創薬、あるいはアカデミアにおいての臨床試験候補化合物の発見、およびそれを見つけた場合の対処法
  アカデミックな真理を産業界の価値観に合わせること、あるいは「私」を企業に押し込むこと

 第10章 「薬につながる」標的
  患者のためのゲノミクスと創薬
  ゲノミクスと薬につながる Drugable 標的
  標的の種類
  炎症の生物学を学べば豊富な標的が見えてくる
  標的についての教訓話

 第11章 薬の多さと化学構造の少なさ
  構造のすべて
  ブロックバスター
  科学のセンスを磨く

 第12章 候補薬をどのように見つけるか
  治験のための臨床試験候補化合物を選択する
  会社にとっての理想的な臨床試験候補化合物
  原理の検証 Proof of Principle の原理
  治験において適切な計測項目を選択する:サロゲートエンドポイントあるいはマーカー
  ポートフォリオの中に臨床試験候補化合物を見つける
  楽観論者にとっての標的
  昔からの心地よいやり方を踏襲する
  臨床的に幅広い活性をもった、焦点の定まらない dirty な薬の標的

 第13章 実際的なことがら:ビッグ・ファーマにとっての障害物
  なぜ臨床試験候補の選択がそんなに問題なのか
  パイプライン
  マーケティング組織
  ビッグファーマにおける臨床試験候補化合物選択の会議をのぞく
  関節治療とサロゲートマーカー
  三つの重要なこと:一に米国市場、二に米国市場、そして三に米国市場
  理想的なバックアップ化合物
  そもそもなぜ臨床候補化合物は選択されるのだろうか

 第14章 バランスのとれたポートフォリオづくりへの実際的な試み
  その臨床試験候補化合物は格段に優れているか

 第15章 効きめのある安全な薬を探す確率を如何に高めるか
  治療域
  失敗の統計
  安全策をとる

 第16章 治験の試練
  失敗した治験から何を学ぶか
  FDAと成功要因について事前に合意しておく
  病気の進行に関する治験
  マーケティングの大御所たち
  プラセボのみを対照とする

 第17章 潜在的な標的と疾患状態を関連づける
  自己申告する表現型決定法を含む表現型への賢い対処法
  ゲノミクスからプロテオミクスへという流れを基礎として見つけられた潜在的な標的
  4年間で転写プロファイルから薬へ ― ジュール・ヴェルヌと治療抗体
  生物製剤は、ゲノムを基礎にした標的検索における「手が届きそうなところに実っている果物」だ

 第18章 標的のさらなる探索
  逆薬理学
  副作用を最大限に活用する
  分子薬理学に関する一講義:研究の牽引役 bandwagon をつくる
  Gタンパク質共役型受容体
  オーファン受容体:正常な機能が知られていない標的に薬を合致させる
  未来の標的

◇第III部 合法的な薬を製造し売るビジネス

 第19章 ビジネスの基本(一般論)
  製薬産業の属性
  ビッグ・ファーマの悩み
  バランスのとれた臨床候補のポートフォリオ
  なぜバイオテクはそれほどたくさんあるのか
  連携、協力、提携
  その他の関係者

 第20章 成長産業における付加価値
  264億ドルのR&Dが9つの薬を生み出した
  特許
  価格への鈍感さとビジネスを推進する他の要因
  予測できる費用、できない費用
  状況の微妙な変化
  なぜ満たされない医療需要は満たされないままなのか

 第21章 どうやれば最も利益があがるのか
  化学的なイノベーション
  逆境こそチャンスだ
  薬の研究費
  成功の値段
  成功は長く続かない
  失敗の費用

 第22章 バイオテクの薬理経済学
  多くのジレンマ:克服できない障害、あるいは達成できない自社での薬の開発という目標、そして株式公開の夢と現実
  提携のリスク:ビッグ・ファーマのパートナー
  反駁できない統計:ある適応を狙った薬が必ず成功するわけではない
  空想科学小説から事実へ
  標的が得られる喜びと薬にならない苦しみ
  薬の研究開発の科学的な基盤は拡大している
  バイオテク会社はより賢いか

 第23章 下降する標的の価値
  評価額を煽る
  もっと賢いバイオテクによる新しいビジネス

 第24章 会社の資産をどう評価するか?化合物ライブラリーをしらべる
  ビッグ・ファーマにおけるハイスループットスクリーニングを基礎にした薬の開発
  受容体に対するヒット
  どの標的が投資を惹きつけるのか

 第25章 合併すべきか、せざるべきか
  何が合併に駆り立てるのか(第1部)
  何が合併に駆り立てるのか(第2部)

 第26章 食品医薬品局(FDA) との共同作業
  FDAとよい関係を築く
  FDAは何をやっているのか

 第27章 薬の適正使用のための規制
  安全性と有効性をバランスさせる
  特許法に何か欠陥があるのか

◇第IV部 医薬品づくりで何が問題になるのか

 第28章 作業仮説は:もっとよいやり方がある
  注意深く前進せよ、だが前進せよ
  薬の開発は依然として部分的には科学であり、部分的には芸術である
  なぜそれほど多くの標的を見落とし、またそれほど少数の疾患しか治療できないのか
  新しい標的をさらに探索する
  なぜそれほど多くの候補が脱落してしまうのか:それに対して何ができるか

 第29章 「我々」は皆、何を研究しているのか
  すべての大手企業は精神疾患と神経疾患を事業対象にしている
  アルツハイマー疾患の治療あるいは進行を遅らせるための薬につながる標的を探索する
  薬局に他の精神疾患や神経疾患の薬を用意する
  中枢神経薬の開発は依然としてバラバラだ
  社会におけるファーマコゲノミクス(薬理ゲノム学)
  より広い見方
  社会倫理的な側面
  製薬産業のジレンマ
  大規模な変革が同時並行的になされる必要がある
  2003年における医薬品開発へのファーマコゲノミクスの寄与
  医薬品開発におけるファーマコゲノミクスに関する倫理面についての幅広い議論が緊急に必要だ

 第30章 日々の食事よりも薬:産業界と法律づくりの現状を変える
  これは助けになるのか
  社会と法律は製薬企業にもっと配慮すべきか?特許法は改定されるべきか?
  訴訟は制限されるべきか
  創造的な水平思考 Lateral Thinking
  何かが変わらなければならない
  重要な事柄
  次は?

訳者あとがき
新装版訳者あとがき
索引